極性反転整流器

極性反転整流器（PRR）は、出力の極性を切り替えることができる直流電源装置です。このため、電気めっき、電気分解、電磁ブレーキ、直流モーター制御など、電流の方向を変える必要があるプロセスで特に役立ちます。

1.仕組み
通常の整流器は、固定極性の交流を直流に変換します。PRRは、サイリスタ、IGBT、MOSFETなどの制御可能な電力デバイスを用いて電流の流れを反転させることで、この原理を応用しています。点弧角やスイッチングシーケンスを調整することで、出力を正から負へスムーズに、あるいは素早く反転させることができます。

2.回路構造
通常、PRR では完全に制御されたブリッジ整流器が使用されます。
AC入力 → 制御整流ブリッジ → フィルタ → 負荷
ブリッジには4つの制御可能な要素があります。どのデバイスがいつ導通するかを管理することで、出力を次のように切り替えることができます。
▪ 正極性: 電流は正極端子から負荷に流れます。
▪ 負極性: 電流は反対方向に流れます。
トリガー角度 (α) を変更することで電圧レベルを調整することもできるため、極性と大きさの両方を正確に制御できます。

3.アプリケーション
（1）電気めっきと電気分解
一部のプロセスでは、コーティング品質を向上させるために、電流を定期的に反転させる必要があります。PRRは、この要件を満たす制御可能な双方向DC電源を提供します。
（2）DCモータ制御
前進/後進操作および回生ブレーキに使用され、システムにエネルギーを戻します。
（３）電磁ブレーキ
電流を逆転させることで、機械システムの急速なブレーキや制御された解放が可能になります。
（4）実験室と試験
PRR はプログラム可能なバイポーラ DC 出力を提供し、柔軟な極性を必要とする研究、テスト、実験に最適です。

極性反転整流器は、産業界および研究においてますます重要性を増しています。柔軟な極性制御と効率的なエネルギー変換を兼ね備えているため、現代の多くのパワーエレクトロニクス用途に不可欠なものとなっています。デバイスおよび制御技術の進歩に伴い、極性反転整流器の用途はさらに拡大すると期待されています。